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「昨日、橋本から電話あった?」
思いがけず西村の方から切り出してきた。
「うん。あったよ。色々と聞いたよ」
西村は黙っている。
「偽名だったんだね…だから電話も非通知なの?」
マユミは全ての疑問を一気にぶつけたい衝動に駆られながらも
1つずつゆっくりと西村に尋ねた。
「ごめんね。
でもあの日は適当に電話をかけたから相手がどんな人かも分からなかったし…」
マユミの心に小さな怒りが顔を出す
「それはお互い様だし、
最初の1回はともかく
実際に会ったり…それに…体の関係まであるのにまだ私を信用してないの?」
マユミは強い口調で西村を責めた。
「そうゆう訳じゃないよ。マユミの事は信用してるよ」
「じゃあどうして…」
「電話番号を教えたら束縛されるんじゃないかと思って…」
情けなかった…。
こんな男に夢中になっている自分が情けなかった…
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