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マユミとは対象的に西村は冷静そのものだった
その冷静さが余計にマユミを苛立たせる。
「俺はね、今は車で走る事が1番楽しいんだ」
受話器越しに西村の溜め息が伝わる
「だから付き合うって形は重い。自由にお互いの時間が合う時に遊ぶ関係がいいんだ」
腑に落ちない気持ちでマユミは聞いた。
「私の事は少しも好きじゃないの?」
「そんな事はないよ。好きじゃなかったら会ったりはしない。
でも今は恋愛を1番には考えられないから…」
まるで子供をあやすように西村は言う。
マユミは混乱していた。
とにかく自分の心に芽生えた怒りと悲しみの感情を西村にぶつける事しかできなかった
「仲間同士で私に電話をして…ただの暇潰しのゲームだったんでしょ!!」
「今もみんなで面白がって私をバカにしてるの!?」
「違うよ。ツレが一緒に居たのは最初の1回だけだ。信じて。本当だよ。」
マユミはもう全てがどうでもいいように感じていた…
何を聞いても嘘に聞こえた
2人の関係がとても薄っぺらに見えた…
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