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「もういいよ…西村さんの気持ちはよく分かったから」
「待てよ。もういいって何?」
西村は少し焦った様子だった
「よく分からないけど、とにかくもういいよ」
マユミは西村を突き放す
「ちょっと待ってて。すぐにかけ直すからね」
そう言って西村は電話を切った。
1分と経たないうちにマユミの携帯電話が鳴り始める…。
非通知ではなく番号通知での着信…。
マユミは急いで電話に出た。
「これが俺の番号だから」
西村は優しい口調で囁いた
「好きな時にかけてくれていいから」
「マユミ?だからもういいなんて言わないで…怒らないで」
マユミは思う
《私はバカだ》
《電話番号を教えてもらった…たったそれだけの事なのにこんなにも嬉しくてたまらない》
《私は西村さんのことをやっぱり愛している…》
《悔しいけど…愛してる》
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