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マユミの揺れる気持ちを西村は察知していたのだろうか…
「これからはサトシって呼んで。
マユミには名前で呼んで欲しい」
悪びれることもなく西村は言う。
ズルイ男…
「好き」や「付き合って」
等の核心の言葉は一切使わずに
マユミの心を震わせる。
マユミが本当に求めるものを知っていながら
逃げてゆく…
マユミの心だけは離さずに
逃げてゆく…
西村とこのまま関係を続けても傷つくだけだとマユミは分かっていた。
今はとにかく１人で考えたかった…
「また私から連絡する」
西村にそう告げてマユミは
電話を終えた。
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