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返事をしながら、訝しげな顔を向けると、眉を八の字にさげた院長がいた。
「そこの桂木さんなんだけどね。君の彼氏がどんな人か、僕やついたスタッフに聞くんだよ。なんとかしてくれないかな?治療がやりにくくて仕方ない。」
なんと!?桂木さん、何を聞いちゃってくれているの?
彼がいることを内緒にしていた訳ではないが、スタッフには、曖昧にしか話をしていないのに。
「わかりました。」
大きく、露骨に嫌なため息を吐き、桂木さんの診察室に入っていく。
「失礼します。桂木さん、私用の質問は、治療の妨げになりますので、慎んでいただけるようお願いします。それから、私の彼については、医院では、一切、質問にお答えいたしかねますので、あしからず。」
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