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直角に腰を曲げ、頭を下げて頼み込む男性。
診察室の鍵をかけ忘れたのは、誰だよ?
余計な仕事が増えたことに苛立ちを覚えつつ、断るべく、椅子から立ち上がった。
「あの、申し訳ありませんが、もう診察は終わってますので、また明日にでも――」
丁重に断っているのだが、腰を曲げた男性は、不意に頭をあげた。
――――えっ!?
思わず、続きの言葉を飲み込んだ。
二重のキリッとした茶色い目。高く通った鼻筋。形のいい唇。
整った顔立ちで、めちゃめちゃカッコイイ。
「そこを何とかお願い出来ませんか?もう、3軒断られたんです。お願いします。」
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