5153人が本棚に入れています
本棚に追加
/401ページ
口調だけなら、医院に来た時と同じ。
だけど、それだけじゃない。
纏う雰囲気から、空気感全てが違うように感じられる。
例えていうなら、触れたら壊れてしまうガラス細工のように。
「私に聞いたその答えが重要ですか?」
「……ゴメン。馬鹿な質問した。悪かった」
それを聞いた私は、大きく息を吸い込んだ。
「大丈夫。私が知る桂木さんは、十分に、人を動かせますよ。ここに連れて来られた、私が言うのだから」
クスッと笑ったのは、照れ隠しだけど。
素直に謝ってくれた桂木さんの背中を押したくなった。
いきなり、任される重圧に押し潰されそうになっていた桂木さん。
誰だって、沢山の人の生活がかかれば、責任感だけでは、成し遂げることが難しい。
最初のコメントを投稿しよう!