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「ではな。次に迷い込んだら言い訳はきかんぞ」
「あ、あはは……気をつけます。ありがとうございました」
会釈をして門をくぐり、壁の向こう側へと行く。二人が通り抜けて間もなく、再び門は閉まった。
ふと見れば、座標の表示が復活していた。あの中だけ表示されないように設定されているのかもしれない。ともあれ、ようやくアンカーまで戻れそうだ。
「……帰りましょうか」
「うん」
何となく早く戻ってゆっくり休みたい気分だった。
*-*-*-*-*-*-*
「……あれ?」
アンカーまで戻り、シュウはそれを見つけた。
「……どうした?」
「いや……これ、何でしょう?」
自分が作ったアンカーによく分からないファイルがくっついていた。アンカーに影響を及ぼさないよう、慎重にはがす。
どうやらそれは文書ファイルのようだった。こんなもの拾ったかなぁ、と首を傾げつつ、自分のデータフォルダに入れる。戻ってから開けてみればいいだろう。
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