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「ああ、いやちょっと……さっき拾ったファイルなんですけど、暗号化されてて読めなくって……」
読めないと中身が気になる。かといってシュウはハッカーであってプログラマーではない。暗号化と複合化は一通り勉強したが、普段使わないためすっかり忘れてしまった。
どうしようか考えていると、ぽつりとカムロが呟いた。
“餅は餅屋”
「モチ?」
東方の言葉で言われたため、意味が分からなかった。
「えっと、専門家に任せろとかそういう意味だった気がする」
「ああ、なるほど……」
言い直してもらい、納得がいった。確かにそれは一理ある。
「……もう少し試してみて駄目そうだったらそうします」
「ん」
再びカムロは首に顔をうずめてきた。くすぐったいので止めてほしいのだが、言うだけ無駄だという事もよく分かっていた。
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