2 気まぐれと出会い

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「あんだぁ? まだ侵入者がいたのか。面倒くせぇな、ったく」  そこでステルスが切れている事に気付いた。エイリアスが働いているため、黒い人影程度にしか見えていないだろうが、存在を認識されている事が問題だ。 「まあ何人だろうと関係ねえ。当アーカイブへのアクセスはマザーへの申請と許可無しには認められていない。侵入者には武力をもって対峙していい事になっている」  カーマの両手に煌々とした紅い光の玉が現れる。 「まとめて吹き飛べ」  両手が合わせられた瞬間、光と熱の暴風が青年を襲った。思わず反射的に目をつむる。そうだ、思い出した。カーマの攻撃スタイルは広範囲高威力の爆発型アタックデータによる殲滅――  能動ウォールを展開する隙も与えてもらえなかった。さっさと逃げておけばよかったと思ったが、受動ウォールで防げる以上のダメージは来ない。それに、眩しさが減った。
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