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簡単な仕事、のはずだったのだが。
「……追いかけよう、って言ったの誰でしたっけ」
「……ごめん」
「謝る暇があるならウィルスを倒してください!」
「やってる」
言うと同時に、カムロは車のタイヤほどの黒い塊を打ち抜いた。二人の周りには多数のウィルスがまだうじゃうじゃといる。
簡単な仕事のはずだった。たかがウィルス退治、カムロの戦闘能力と自分のサポート技能があればさっさと終わると踏んでいたのに、逃げ出した一体を追いかけてみたらこのザマだ。負ける気はしないものの、それ以前の問題がある。
「ああもう、本当ここはどこですか……!!」
アンカーまで戻りたいのに、現在座標が表示されない。何とか移動経路から位置を割り出そうとしているが、カムロのサポートが出来ない。カムロならそうそうやられる心配はないが、拳という戦闘スタイルからどうしても数の減りは遅い。
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