1 拾い物

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 簡単な仕事、のはずだったのだが。 「……追いかけよう、って言ったの誰でしたっけ」 「……ごめん」 「謝る暇があるならウィルスを倒してください!」 「やってる」  言うと同時に、カムロは車のタイヤほどの黒い塊を打ち抜いた。二人の周りには多数のウィルスがまだうじゃうじゃといる。  簡単な仕事のはずだった。たかがウィルス退治、カムロの戦闘能力と自分のサポート技能があればさっさと終わると踏んでいたのに、逃げ出した一体を追いかけてみたらこのザマだ。負ける気はしないものの、それ以前の問題がある。 「ああもう、本当ここはどこですか……!!」  アンカーまで戻りたいのに、現在座標が表示されない。何とか移動経路から位置を割り出そうとしているが、カムロのサポートが出来ない。カムロならそうそうやられる心配はないが、拳という戦闘スタイルからどうしても数の減りは遅い。
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