2 気まぐれと出会い

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 疑問に思い目を開ければ、自分をかばうようにウォールを展開する誰かの姿があった。黒い人影にしか見えないという事はエイリアスを使っているのだろう。彼か彼女か知らないが、どうやら自分以外の侵入者らしい。 「悪ぃ、ドジった! 逃げっぞ!」 「は?」  熱と光が治まると、まるで最初から二人で行動していたかのように話しかけられた。自分は一人で動いていたのに、しかしカーマは今のやり取りで勘違いしたらしい。 「んだよパートナー持ちかよ……厄介だな、こりゃ」  言うほど厄介に思っているようには見えない。……今のがカーマの全力ではないだろう。舌打ちをし、久しく使っていなかったサポートプログラム用のコンソールを呼び出す。 「サポートする。とにかくここから出るぞ」 「了解!」
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