2 気まぐれと出会い

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 ガリガリと頭を掻く。オーバーフローを起こしたのは久しぶりだ。ガーディアンになってから、攻撃を受ける前に相手を滅していたため、受動ウォールの設定は気を配っていなかったのだ。今回の件を機に少し見直した方がいいかもしれない。  ……それにしても、彼らは何が目的だったのだろうか。ここに収められているアーカイブは全て申請さえすれば閲覧可能な物だ。わざわざ侵入しなくても、と思う。 「……あー、止めだ止め! 考えたって分かるもんか!」  きっと常人には理解出来ない理由があったのだ、そうに違いない。カーマは思考を止め、守衛室に戻り再び暇な警戒任務に就く事を選んだ。 *-*-*-*-*-*-* 「……おい、そろそろ下ろせ」 「お? ああ、悪ぃ悪ぃ」  もう図書館からは大分離れた、抱き上げられている理由がない。人影は軽く謝って、優しく青年を下ろした。
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