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「あ、ちょっと待て!」
能動ウォールの使用権を返し、自分のアンカーのところへ戻ろうと背を向けた時、肩をつかまれた。
「何だ、何かあるのか」
こっちはさっさと帰りたいというのに。
「いやさ、俺パートナーいないんだよね」
「……それが?」
自分には関係ない事だ。イライラとする。青年の苛立ちを知ってか知らずか、人影は名刺を差し出してきた。
「これ、俺の連絡先。良かったら俺のパートナーになってほしいです!」
「お前は馬鹿か?」
今日出会ったばかりの、しかもエイリアスをかけ続けている相手にどうしてそういう事を言えるのか。突っぱねようとして振り上げた手を掴まれ、名刺を握らされる。
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