1 拾い物

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「攻撃範囲拡張、衝撃付与、速度補助……あと何か要りますか?」 「これでいい。残りはシュウがやってくれるだろ?」 「出来る限り全部倒してくださいね。僕、戦闘は苦手なんですから」 「分かってる」  きゅっと足裏で床をこする音が聞こえた。その音を合図にウォールを解除する。壁がなくなって雪崩れこんでくるウィルス達に次々とカムロの拳が打ち込まれる。先程よりも早く、鋭く、大量に。一発当たる度に周囲にも衝撃が広がり、次々とウィルスが吹き飛んでいく。  狙いが大雑把だからだろう、何匹かカムロの攻撃を逃れたものもいる。単純な思考回路しか持たない彼らは「しめた!」とばかりに攻撃を仕掛けてくるが、遅い。近付く直前に光の糸がウィルスをかすめる。それだけでウィルスの身体は塵と化し、消えていった。  およそ数分ほどで二人を囲んでいたウィルスは全て消滅した。
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