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「……オートパイロットオン、警戒モードに移行。エンチャントカット」
全滅したのを確認してから機能の切り替えを行う。演算を再開させようとして、がくりと肩を落とした。
「……うわぁしまった、また最初からかぁ……」
うっかり保存を忘れてしまっていた。どうも頭がいっぱいになると細かい事や基本的な事を忘れてしまう。仕方なく演算をやり直す。カムロは周囲に気を配りつつ、モニターを覗き込んできた。
「……分かります?」
「全然」
単に暇なだけだろう。まあ邪魔ではないので放っておく。
しかし、計算を進めるほどに座標位置がおかしな事になっていく。見た事もない数字が羅列される度、難しい顔になってしまう。本当にここは、どこだろう。
と、突然カムロがモニターから目を離し、構えを取った。
「カムロ?」
不思議に思ってシュウも顔を上げ、カムロの視線の先を追う。
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