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「……誰かいる」
そうは言われても、何もない。不思議に思っているとザザッとその座標が揺らいだ。
『……やるな。ステルスはかけていたんだが』
声が聞こえたかと思うと、表示が揺らいだ位置に男が現れた。これと言って特筆するところのない平凡な顔立ちだが、どこか威圧される。
「え、うぇっ!?」
驚いて妙な声が出てしまった。シュウと男をさえぎるようにカムロが動く。
「待て。君達と無駄に争うつもりはない」
今にも殴りかかりそうな雰囲気のカムロを言葉で制し、男はプログラムを起動させた。色鮮やかな紋章が空中に現れる。
「私はガーディアンのオロチだ」
「が、ガーディアン!?」
世界を維持し管理する人工知能、マザー。彼女を守る精鋭部隊がガーディアンだ。厳格な審査の末、選ばれる彼らは、十把一絡げのハッカー程度では全く歯が立たないほどの実力と権限を持つ。まあ普通に暮らす分には全く関わりのない雲の上の存在だ。だからこそ、シュウはうろたえているのだが。
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