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「詳しい場所は言えないが、マザーのお膝元だ」
「マザーの……えぇ!?」
「私達以外は入れないはずなんだがな。まあどこかに抜け道でもあったんだろう。……ついてきたまえ。外まで案内しよう」
背を向け、歩き始めるオロチ。どうしようか迷ったが、素直に従っておいた方がいいだろう。オロチの後を追う。
しばらく歩くと、天まで届いていそうな、地の果てまで続いていそうな高く長い壁が三人を迎えた。オロチは大きな門の横にある小さな扉をノックする。
「サフィーネ」
「はいはーい?」
扉から出てきたのはオロチと似たような服を着た青い髪の少女だった。サフィーネと呼ばれた彼女はシュウとカムロを見てきょとんとした。
「あれ? その人達どうしたの?」
「ただの迷子だ。門を開けてやってくれ」
「はいはーい」
サフィーネが扉の中に戻ってから数十秒後、重い音を立てて門が上がっていった。
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