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「……全て、やて?
そないな事有るわけ無いやろ。
もしもそれが本当だとして、新撰組の機密情報も知っとるんか?」
山崎は全く信じていない。
無理もないな。
突然現れた女が全てを知っているだなんて、到底信じられる事ではないだろう。
「機密情報?
私には、どこまでが機密なのかは分からんが、そうだな……例えば、芹沢鴨、新見錦以下数名の死の真相…とかか?」
どうやら、これは機密情報に当て嵌まるようだ。
山崎の顔色がさっと変わる。
そして、突然腕を掴まれた。
「!? 何をする!離せ!」
「黙っとき!その話はここでする訳にはいかん。
副長んとこ行くで。」
山崎はかなり焦っているようだ。
自分だけで決めていい話ではないと思ったのだろう。
「……鬼の副長、土方歳三。
貴様の主、か。」
今度は何も答えなかった。
私の腕を掴んだまま歩きだす。
「あっ、総司!
この嬢ちゃん、副長のとこ連れてくわ~!後から来とけ!」
隣の部屋に居る筈の沖田に伝えてから、また早足になった。
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