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学校からの帰り道。
私はいつもの様に、駅の改札を抜けた。
ピピッ
改札の機械音。
二年半、ずっとこの音を聞いてきた。
私の名前は、皆川蘭。
今年、十八になる。
今、自分は何の為に生きているんだろうか。
目標なんて、ない。
今の世の中で、希望を持てと言う方が無理な話だろう。
退屈な毎日。
駅に居る人達は、早足で行ったり来たり。
みんな、表情が無い。
何も考えていない、死んだ様な瞳。
私も、そんな顔をした一人だった。
この日、までは。
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