飛ばされて

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「フッ……。まさか、本当に幕末に来てしまったとはな…。」 幕末の新撰組。 という事は、こっちの女顔は沖田総司。 関西弁は山崎烝だろう。 私は布団から出た。 まだ少し頭がクラクラする。 「あっ、起き上がっちゃ駄目ですよ。 まだ寝てなくちゃ。」 「そうやで、嬢ちゃん。 まだ完全に治った訳じゃ無いんやろ?」 私は二人を手で制した。 「問題無い。少し頭痛はするが、それだけだ。 それに、いつまでもここに厄介になっている訳にもいかないからな。 帰らせて貰う。」 そう言って立ち上がると、周りを見回した。 「…私の荷物は有るか?」 「え?…あぁ、はい。隣の部屋に置いてありますよ。」 「そうか、わかった。」 私が襖を開けて出て行こうとすると、沖田が慌てて止める。 「まっ、待って下さい!あの、隣の部屋、私の部屋なんですが、今散らかってるんで……。 私が取りに行きますから、待ってて下さい。」 そう言って、早足で部屋を出ていった。
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