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沖田を目で見送った後、ある方向に視線を向ける。
「それで?……私に聞きたい事が有るだろう。言ってみろ。
答えられる範囲で答えてやる。」
その先には、厳しい目つきの山崎が。
「何や、分かっとったんか。なら話は早い。
その服装、茶色がかった髪。
何より、いきなり空から落ちてくるなんて、普通ありえへん。
総司には河原で拾った、言うたんやけどな。
単刀直入に言うで、あんた何者や?」
しばらく睨み合いが続く。
意外だ。
私は小さい頃から目つきが鋭く、家族以外の人と目を合わせた事なんてほとんど無い。
だから、山崎のまっすぐ自分に向けられた目を見ることが出来ない。
思わず、視線をそらした。
「私は……そうだな、全てを知る者とでも言っておこうか。
過去、今、そして未来。
新撰組がこれからどのような道を歩むのか。
貴様の最期も。
沖田の最期も。
全てを、な。」
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