片鱗

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2人の言葉に禅が顔をしかめると2曲目の演奏が終わり、禅の肩を叩く男がいた。 「ナオさん……」 「久しぶりだな」 「……どうも」 2人の間に沈黙が流れた。 「……禅、お前に1つ言っておきたいことがある」 「……なんですか?」 「お前が人間嫌いになるのはわかる。でも本当は音楽を嫌いになってないだろ?」 「そんなこと……」 「ならなんでギターが送られてきた時に捨てなかった?音楽をやめた時に捨てなかった?」 ナオの言葉に禅は何も言えなくなっていた。
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