5105人が本棚に入れています
本棚に追加
「たしかに、あの事は音楽が関係ないとは言わない。でも音楽のせいにして逃げるな」
そう言ってナオは控え室に入っていった。
禅は何か言いたげな表情をしていたが、歯をくいしばって言葉を飲み込んだ。
「……あのさ、禅」
沙希は禅の目をまっすぐ見て言った。
「わたしと、やらない?禅もギターを持って行ってわたしに手本を見せてくれるだけでもいい。だから……」
禅は1つ大きなため息をついて尋ねた。
「なんでお前は俺にこだわるんだよ?」
すると沙希と翔は顔を見合わせて、ニカッと笑った。
「「友達だから!」」
そして2人は禅の両手を引っ張ってステージの前に向かった。
禅は手をぐいぐい引っ張る2人の背中を見て、
呆れたように笑った。
「お前らは物好きなバカだな」
最初のコメントを投稿しよう!