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禅は教室を出ていったその足で屋上に向かった。
屋上に着くと、フェンスに体をあずけてタバコに火をつけた。
それと同時に授業開始のチャイムが鳴る。
しかし、1時間目はサボることに決めていたため、気になりはしない。
転校初日にすることじゃないのはわかっていた。
クラスで浮く。
教師に目をつけられる。
だが、そんなことはどうでもよかった。
吐き出した煙が風にかきけされていくのをぼーっと見ていると、扉が開く音がした。
タバコを隠そうともせず、扉の方に視線を向ける。
そこには、禅と同じくらいの身長で、黒い長髪を後ろで束ねた1人の男子学生が立っていた。
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