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禅はしばらくジタバタもがいたが、諦めたように動きを止めて切らした息を整えた。
「……昔のことだ」
「じゃあ昔は好きだったんだな!?」
翔が目を輝かせてそう尋ねると、禅はため息をはきながら頷いた。
「でもさぁ、あの時歌ってたってことは今でもってことじゃないの?」
沙希が尋ねると、禅は首を振った。
「あの時はピアノで弾いたし、ちょうどいいのがあの歌だっただけだ」
「ふぅん。てかさ、神谷ってピアノ弾けるんだな」
翔がそう言うと、禅は力の抜けた2人の腕を振りほどいて言った。
「元々ピアノが先だったんだよ。ピアノは幼稚園の頃からでギターは小4の時からだ」
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