結成

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沙希は緊張した面持ちで自分の名前が呼ばれるのを待っていた。 そして自分の前の人間が呼ばれた。 沙希は祈るように手を組んだ。 「次、橘」 「はい!」 沙希はギクシャクしながら自分を呼んだ初老の男の元に向かった。 男は機械的に沙希に1枚の紙を渡し、次の名前を呼んだ。 沙希は紙に目を通さず、自分が元いた場所に戻った。 椅子に座り、目を閉じて数回深呼吸した。 そして次の瞬間クワッと目を開き、渡された紙を裏返しながらバンッと机に叩きつけた。 『英語 橘 沙希 63点』 「やったーーーーー!」 沙希は紙を握りしめ、天井に向かって両拳をあげた。
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