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「橘、うるさい!」
初老の男、改め英語教諭は大声でガッツポーズを決める沙希に注意した。
「すいませぇん」
沙希は頭を下げて謝ったが、教諭から見えない角度では顔がにやけていた。
沙希は席につくと、ニコニコしながら隣の席の禅に小声で話しかけた。
「ねぇねぇ!全教科赤点の30点クリア!それどころか全部50点以上だよ!」
沙希ははしゃいでいたが、禅は興味なさそうにあくびをした。
「ふぅん……そう。俺は全部90点以上だけどな」
「……俺はお前が勉強してんの見た覚えがないんだけど」
禅の前にいる翔が振り返ってため息をついた。
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