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禅が無造作に手を離すと、翔は禅の机に勢いよく頭をぶつけてピクピクした。
しかしそんな翔を気にせず、沙希が禅に話しかけた。
「でさ、禅はあの時の約束覚えてる?」
「………約束?」
顔をしかめる禅に、沙希は口を尖らせて拗ねたように言った。
「全部赤点クリアしたら編曲してくれるって言ったじゃん」
「……そういえば言ったな」
禅の言葉に沙希は安心したようにニコッと笑った。
「いつ頃できる?」
禅はため息を1つついて言った。
「……もうできてる」
「ホントに!?」
嬉しそうに驚く沙希に禅は黙って頷いた。
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