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「今ある!?」
沙希が身を乗り出して尋ねると、禅は首を振った。
「どうせ今日もうち来るんだろ?ならその時でいいだろ」
「よく行くことわかったね」
沙希がニコニコしているのを見て、禅はため息をついた。
「お前ら何かあったら絶対に来るだろうが」
「それもそっか。じゃあ1回帰ってギター持ってくから新しい曲教えてね」
禅は沙希の言葉に頷いた。
禅は最近では土曜日に限らず沙希にギターを教えるようになっていた。
もっとも禅の意思ではなく、沙希が押しかけて来て嫌々教えたのがきっかけだった。
それでも沙希の押しの強さと、少しずつ変わり始めた禅の心境からそれが当然になるのに時間はかからなかった。
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