結成

10/18
前へ
/595ページ
次へ
禅は編曲の際に作ったキーボード用の楽譜を取り出し、一度サッと目を通した。 「じゃあやるか。お前から入れ。俺はイントロが終わったところから弾く」 禅の言葉に沙希は頷いて、自分を落ち着けるように1つ息をはいた。 そして少し緊張しながらギターを弾き始めた。 イントロが終わって歌いだすと、禅のキーボードが響く。 そのメロディーは存在感がありながら自己主張しすぎない。 また、沙希のギターは中盤以降リズムがズレてしまうクセがあるが、禅は決してリズムを崩さなかった。 だから沙希はキーボードの音色に合わせてギターを弾くことに注意して弾き、最後までリズムがズレることはなかった。
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加