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禅は編曲の際に作ったキーボード用の楽譜を取り出し、一度サッと目を通した。
「じゃあやるか。お前から入れ。俺はイントロが終わったところから弾く」
禅の言葉に沙希は頷いて、自分を落ち着けるように1つ息をはいた。
そして少し緊張しながらギターを弾き始めた。
イントロが終わって歌いだすと、禅のキーボードが響く。
そのメロディーは存在感がありながら自己主張しすぎない。
また、沙希のギターは中盤以降リズムがズレてしまうクセがあるが、禅は決してリズムを崩さなかった。
だから沙希はキーボードの音色に合わせてギターを弾くことに注意して弾き、最後までリズムがズレることはなかった。
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