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「禅がわたしに何かするってこと?そんなのありえないじゃん!」
沙希はそう言って笑い続けた。
しかし禅は舌打ちをして立ち上がった。
そんな禅に、沙希は唖然とした。
「……禅?」
禅は沙希から少し離れたところに背中を向けてドカッと座った。
「……俺が昔バンド組んでたのは知ってるか?」
沙希は突然、淡々と尋ねる禅に戸惑いながら頷いた。
「……うん」
禅は1つため息をつき、迷うように少し間を置いて話しだした。
「俺は――」
バンッ
「神谷!追試の範囲がどうしてもわからないんだ!教えて……く……れ?」
翔が禅の言葉を遮るように勢いよくドアを開いた。
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