拒絶

12/13

5105人が本棚に入れています
本棚に追加
/595ページ
禅はため息をついた。 「んなこと知るか。 第一なんでお前がそこまで肩を持つのかわからねぇ」 「……幼なじみだからな」 翔は眉間にシワをよせて、禅を掴んでいた手をはなした。 その様子を見て、禅の頭をある考えがよぎる。 「……お前、あの女に惚れてんのか?」 禅はそう尋ねながら、吸っていたタバコを、フェンスの支柱に押しつけて消した。 すると、翔は顔を赤らめ、慌てた様子で否定する。 「そ、そんなんじゃねぇ!」 「なるほど、惚れてんだな。 なら、とっとと落とせよ。 そしたら俺にかまう暇なんてなくなるだろ」 禅はそう言うと新しいタバコに火をつけた。
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加