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禅と沙希がグループを組んでから2ヶ月がたった。
2人は2ヶ月の間、土曜日の夜に行う路上ライブのみの活動をしていた。
しかしかつてメジャーデビューに最も近付いたバンドに所属していた禅と、その禅に認められた歌声の持ち主である沙希の評判は口コミで広まっていった。
その結果、沙希が1人でやっていた時は集まっても5人程度だった観客が、その10倍はいようかという人気ぶりだった。
2人はこの日も日付がかわる時間まで演奏し、終わった時には大きな拍手が送られた。
「2人ともお疲れさん」
片付けをしている2人に、翔は温かい缶コーヒーを手渡した。
「翔、ありがと」
「悪いな」
2人は缶コーヒーを受け取ると、冷えた体を温めるように一気に飲み干した。
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