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「……ったく、言いたいこと言ったら切っちまったよ」
禅は携帯を見ながら呆れたようにため息をついた。
すると、沙希が身を乗り出して禅に尋ねた。
「ねぇねぇ、ライブとか言ってたけどマサさんなんだって?」
「またこの町でライブやるんだけど、対バン足りないからやらないかって――」
「わたしと禅に!?」
禅の言葉に沙希は勢いよく立ち上がった。
禅は驚いて後ずさりして、ひきつった笑いで頷いた。
「やる!」
「……そんなにやりたいのか?」
禅が尋ねると、沙希は何度も頷いた。
「俺が聴いてる分にも、なによりオーディエンスの反応見ても大丈夫だと思うけどダメなのか?」
翔が尋ねると、禅は少し考えてから首を振った。
「問題ないとお――」
「じゃあ決定!」
禅が言い切るより早く沙希はニコニコ笑って言い切った。
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