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禅とマコトは互いに睨み合い、どちらともなく殴りかかりそうな険悪な雰囲気を作りだしていた。
「……まさかお前、今日の対バンの1つか?」
マコトが尋ねると、禅は無言で頷いた。
「なるほどな。お前のことだからやると決めた以上やるつもりなんだろ?」
相変わらず睨み続けるマコトに、禅は目をそらすことなく言った。
「……当然だ。お前らとはやりたくねぇけど、それとこれは別問題だ」
「それは俺たちも同じだ。ただお前がしたことは一生許すことはできないし、許すつもりもない。
それは覚えておけ」
マコトはそう言うと、ビルの中に入っていった。
それを確認すると、マサと結衣が安心したようにため息をついた。
「……殴り合いになるかと思ったよ」
結衣がそう言うと、禅は不機嫌そうに鼻を鳴らした。
「時と場合はわきかまえてるって。……お互いに」
そう言って禅はビルに入っていった。
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