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沙希はポカンとして禅が入っていったビルの入口を見ていた。
すると、マサがため息をつきながら頭をかいて沙希に謝った。
「こんなことになって悪いな。代わりが来るとは聞いてたけどまさかあいつらとは思わなかった」
「いえ……、訳わかってませんから別に……」
キョトンとしている沙希に、結衣が心配そうな瞳で尋ねた。
「……禅からはまだ何も聞いてないの?」
「はい。禅から話してくれるまで待つって決めましたから」
キッパリと言い切った沙希に、マサは満足そうに声を出して笑った。
しかし、次の瞬間には真剣な眼差しで沙希を見つめて言った。
「禅と組んでることでマコトたちから何か言われるかもしれない。でも、……信じてやってくれ」
マサはそう言うと、膝に手をおいて沙希に深々と頭を下げた。
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