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そんな禅に、翔は真剣な表情で尋ねた。
「……神谷、なんでお前そんなに拒むんだ?」
その言葉に禅はタバコの煙をはき、翔に視線を向けた。
「……この高校にはおせっかいしかいないのか?」
翔は禅に答える気がないのを理解してため息をついた。
「……まぁ俺は沙希に余計なマネをしなければ文句はないんだけどな。俺は教室に戻る」
そう言って翔は屋上を出ていった。
禅はそれを確認すると、翔が来る前と同じ場所に腰をおろした。
そして空を見上げて呟いた。
「……どうでもいい……何もかも」
そしてタバコの煙をはきだした。
その真っ白な煙は
風に流されて、
真っ青な空に溶けていった。
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