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すると結衣が沙希の横にやってきた。
そして結衣は気まずそうに沙希に尋ねた。
「……今マコトといたけど、聞いちゃった?」
沙希は少し迷ってから頷いた。
結衣はそれを見て寂しそうに笑った。
「……そっか」
「でも禅のこと信じてますから」
沙希はキッパリそう言うと、腕を上に上げて体を伸ばした。
「わたし、禅が女の人に作った歌聴いたことあるんですよ」
「え……?」
キョトンとしている結衣に、沙希はニッコリ笑いかけた。
「すごく純粋な気持ちがこもった歌でした。
そんな歌作った禅が、あのマコトって人の言ってたようなことするわけないですよ」
結衣はポカンと沙希の言葉を聞いていたが、その言葉を理解するとニコッと微笑んだ。
「……ありがとう、信じてくれて」
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