仲間

23/28
前へ
/595ページ
次へ
禅はマコトに会ってから不機嫌だったが、今は少し機嫌がよさそうだった。 だから、沙希はずっと避けてきた話題を出した。 「禅、わたしマコト……さんから話聞いたよ」 沙希の言葉を聞いた瞬間、禅の顔から表情が消えた。 「……マコトの彼女とのことか?」 沙希は頷いて、真っすぐ禅を見つめて、ニッコリ笑った。 「でも、わたしは禅を信じてるから。……だから、いい演奏しようね」 禅は一瞬キョトンとしたが、次の瞬間機嫌よさそうに鼻で笑った。 「……お前次第だろ?」 沙希は禅の言葉を聞いて楽しそうに笑った。 「それもそっか」 そしてニヤッと笑って控え室に視線を向けた。 「あの人たち見返してやろうよ」 禅は沙希の視線の先にいるだろう3人を思い浮かべて、ニヤッと笑った。 「それも、お前次第だな。あいつらは俺を知ってるけど、お前は知らない」 「……自分から言ってなんだけど、……出来るかな?」 「当然だろ?お前は俺の……相棒、だからな」 禅がそう言うと、2人はニカッと笑ってハイタッチした。
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加