仲間

26/28
前へ
/595ページ
次へ
気付けば規定の30分が過ぎていた。 「ありがとうございました~♪」 沙希がそう言ってオーディエンスに手を振ると、大きな拍手が起きて、ステージを照らしていた照明が消えた。 手早く片付けをすると、そでにはけた。 すると、そこには次の出番のマコトたちがいた。 沙希は少し怯えて禅の背中に隠れた。 「……禅は……まぁ当然として、……やるじゃん」 マコトがそう呟くと、禅がフンと鼻で笑って言った。 「お前らもせいぜいガッカリさせんなよ」 そう言って禅は控え室に入っていった。 マコトたちは沙希の横を抜けてステージに上がっていった。 沙希はそでに1人ポツンと残されて立ち尽くしていた。 (仲が悪いわりに認めたり、励ましたり……。もしかしてお互いそれほど嫌ってないのかな?) 沙希は首をかしげながら控え室にギターや機材を置きにいった。
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加