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「俺はああいうタイプ苦手なんだよ……」
禅がそう言ってため息をつくと、茜はクスクス笑った。
「その割にメールは返してるみたいだけど?」
「無視したら悪いだろ?」
「律義なんだね」
楽しそうに笑う茜を見て、禅はまたため息をついた。
「ほら、そろそろ戻ろうよ。あまり遅いと佳奈がうるさいよ?」
「……もう帰るかな」
禅がそう呟くと、茜が苦笑した。
「その方がいいかも。みんなには用事があるから帰ったって言っておくよ」
その言葉に、禅はポカンとした。
「なに?変なこと言った?」
茜が首をかしげて尋ねると、禅は首を振った。
「……いや、助かるわ。あと、マコトに『ここはお前の奢りだ』って伝言しといて」
そう言って禅はそのまま帰っていった。
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