過去

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禅は少ししか話をしなかったものの、茜に好感を抱いていた。 禅はカラオケから帰ってしまおうかと言った時、半分は本気だったが、もう半分は後ろめたさで迷っていた。 その時、茜は帰った方がいいと言った。 正直意外に思っていた。 茜のイメージは佳奈について歩いているというイメージだった。 しかし、禅がタバコを吸っていることをとがめた時も、この日のカラオケでの言葉も、自分を持っていればこそだろうと感じていた。 だから、むしろ佳奈が勝手気ままにいられるのは、茜がいるからではないかとさえ思っていた。 だからほんの少しだが、茜という人間に興味をもった。 少し上機嫌になって佳奈のメールもチェックした。 すると一気にテンションが下がった。 『なんで勝手に帰ったの!? 女の子ほったらかしにするなんてダメじゃん! 罰として来週は2人でデートだからね!』
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