月夜

4/11

5105人が本棚に入れています
本棚に追加
/595ページ
禅は目を細めてその様子を見た。 すると3人の客と談笑しているストリートミュージシャンに目が止まった。 同時にそのストリートミュージシャンと目があった。 「やべ」 禅はさっと回れ右して、足速にその場を離れようとした。 しかし、20歩ほど歩いたところで右腕を掴まれた。 「やっぱり禅だぁ♪」 禅はため息をついて振り返ると、そこには先程目があったストリートミュージシャン――橘 沙希がいた。 「何やってるの?てか高校生がタバコ吸っちゃダメでしょ」 沙希はニコニコしながら禅の顔を見ていた。 禅はもう一度ため息をついて言った。 「お前には関係ないだろ?つうか離せ」 「いや♪」 沙希はニコニコしたまま禅の頼みを断った。
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加