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禅は目を細めてその様子を見た。
すると3人の客と談笑しているストリートミュージシャンに目が止まった。
同時にそのストリートミュージシャンと目があった。
「やべ」
禅はさっと回れ右して、足速にその場を離れようとした。
しかし、20歩ほど歩いたところで右腕を掴まれた。
「やっぱり禅だぁ♪」
禅はため息をついて振り返ると、そこには先程目があったストリートミュージシャン――橘 沙希がいた。
「何やってるの?てか高校生がタバコ吸っちゃダメでしょ」
沙希はニコニコしながら禅の顔を見ていた。
禅はもう一度ため息をついて言った。
「お前には関係ないだろ?つうか離せ」
「いや♪」
沙希はニコニコしたまま禅の頼みを断った。
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