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禅は3度目の、それまでで1番大きなため息をついた。
沙希を正直うっとうしいと思っているし、今すぐ帰りたい。
だがこれまでの経験から、沙希が頑固でこうなったら何を言っても聞かないことは、短い付き合いながらも理解していた。
「……じゃあ何したら帰っていいわけ?」
禅は嫌そうな表情を隠そうともせず、顔をしかめて尋ねた。
「ふっふっふっ……」
沙希の芝居がかった不敵笑みを見て、禅は不安と後悔でいっぱいになった。
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