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その言葉に、禅は呆れたようにため息をついて再びカレーを食べ始めた。
沙希も、禅にもう一度ニカッと笑いかけてからカレーを食べ始めた。
少したってから、禅は沙希をチラッと見て尋ねた。
「……おかわりいるか?」
沙希はニカッと笑って皿を禅に差し出した。
「いる」
日付が変わった頃、ジャージに着替えた禅がギターをいじっている沙希に言った。
「じゃあ俺は下で寝るからお前はベッド使え」
「ベッド使っていいの?」
沙希がキョトンとして尋ねると、禅は無言で頷いて掛け布団をしいた床に寝転んだ。
沙希はクスッと笑うと、電気を消して布団にくるまった。
「ありがと。それと、おやすみ」
「……ん」
短い返事をした禅に、沙希はクスクス笑って眠りについた。
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