月夜

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禅が大きなため息をつくと沙希が明るい声で翔に言った。 「翔、そのまま禅を連行!」 「りょーかい」 翔はそう言って力ずくで禅をもといた場所に連れていった。 翔は無理矢理禅を沙希の前に座らせると、禅の右斜め後ろで禅が逃げないように目を光らせた。 禅はもう何度目かもわからないため息をついたが、沙希は気にせず笑顔で尋ねた。 「どんな曲がいい?」 「短いの」 禅は不機嫌な顔と声できっぱり言った。 「……1番長いやつにしてやる」 沙希はぶすっとして言った。
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