5105人が本棚に入れています
本棚に追加
「禅が一緒に来たらいいじゃん」
そんな沙希の言葉に、禅は顔をゆがめた。
「お前なぁ……俺が行ったら、ややこしいことにこそなれ、いいことなんてないだろ……」
そう言った禅を、沙希は不満そうな目で見た。
そんな沙希を見て、禅はため息をついた。
「……1人暮らしするにもアパート探したりする時間が必要だろ?部屋が決まるまではいていいから、俺を連れて行こうとするな」
その言葉に、沙希はしぶしぶ頷いた。
「……ところで、なんで俺を連れて行こうとしたんだ?」
禅の問いに、沙希はキョトンとした。
「なんでって……なんでだろ?……翔より禅の方が頼りになるから?」
首をかしげながら言った沙希の言葉に、禅はこめかみをおさえながらため息をついた。
「……渡利が聞いたら泣きそうだな」
最初のコメントを投稿しよう!