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その後、沙希は迎えにきた翔と家に帰っていった。
禅は1人残されて手持ち無沙汰でいると、ギターが目に入った。
「……そういや最近キーボードばっかりだったな」
禅はおもむろに立ち上がると、ギターを手に取ってチューニングを始めた。
チューニングを終えると、禅はギターをかまえた。
口元は知らず知らずのうちに緩み、それに気付いた禅は苦笑した。
「音楽はやめるつもりだったのにな……」
そう呟くと、禅は弦をはじきはじめた。
最近いつも歌っている沙希が作った歌。
無意識ながらやはり口元が緩んでいた。
歌い終えると、禅は苦笑した。
「……やっぱ俺は歌が好きなんだな」
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