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すると、突然禅の頬に冷たいものがあたった。
禅はキョトンとして頬に触れると、沙希が慌てて空を見上げた。
「やばっ!禅、雨だよ!」
沙希がそう言ったのと同時に、雨が滝のように降りだりた。
沙希は100メートルほど先にある屋根付きのバス停まで走った。
禅も慌てて沙希の後を追ったが、結局バス停に着いた頃には2人はずぶ濡れだった。
「……最悪だよ」
沙希が不機嫌そうに呟くと、禅は苦笑しながら頷いた。
「寒いだろ?これ着とけよ」
禅はそう言って、手に持って歩いていたために濡れてなかった上着を沙希に渡した。
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